アウトバウンドを主体とする従来のテレセンタから、インバウンドによる自動受注を行うことで、従来の得意先だけでなく、小口注文の販売店のサポートもできる点で市場拡大も期待できる。
中京コカ・コーラでは、営業担当者の訪問や電話による受注を行っている。電話による受注は専任のオペレータが定期的に電話注文をとる体制をテレセンタで実現している。従来のこの仕組みに加え、より効率的なシステム化を目的に、自動受注システムが開発された。
「販売店さんの中には、様々なニーズがあります。通常在庫をあまり持っていない販売店さんは、もし急に売れてしまった場合、膨大なイレギュラのオーダが27カ所の支店に緊急対応として入ってきてしまいます。これは本来の支店業務を阻害する要因にもなってしまいます。しかも、急なオーダということは納品の迅速性が要求されます。また、小口注文の販売店さんでは、一回のオーダ数が少ないこともあって、商品が欠品してもなかなかオーダしてこない場合が多いのです。人間経由のわずらわしさを軽減することで、手間をかけず受注センターで一括して受けられば効率化を図れると思ったのが開発の経緯です」と受注センター長の串秀夫氏は語った。
当初小口注文の販売店をターゲットにしたのは、理由がある。
つまり、業務全体の効率化を自動化により見直す点と多様化するニーズに対応するためのひとつとして、受注の自動化を実現し受注売り上げを図りたいという2点が今回のシステムの狙いであった。そのため従来のアウトバウンド方式と自動受注のインバウンド方式を一元化することで、受注業務の統一を図った。ただし、今年から電話による受注システムは小口注文の販売店に限定せず、自動受注に適した販売店のすべてを対象に、7月1日の稼働から約26,000の販売店にサービスを提供している。
システムの導入開発にあたっては、アウトバウンドのコールセンタの導入実績から富士通に決定した。ソフトウェアの開発もすべてオリジナルで開発が行われた。実際にはアウトバウンドもインバウンドも受注業務の側面から考えると同一のシステムの拡張として考えることができる。その点からもアウトバウンドとインバウンドの業務を一元管理し、販売店の発注履歴を抑えることで、より的確な受注計画をアドバイスできるなど大きなメリットを得ることができた。
谷本氏は「タイミングにあった迅速性は商品の性格上非常に重要です。しかし、今後はこういった自動の仕組みの活用を推進すると共に、定期的な受注コールにつながるような、予測受注が望ましいと考えています。サプライチェーンマネジメントにも寄与していますが、テレセンタでのコールは全体の売上げの15%程度であるため、大きな変動要素にはなりません。ただし、逆にこの15%のパイをさらに拡大したいという希望は持っていますので、今後の動向には期待しています」としている。
また、自動受注システムを補完する意味でも、人的なサポートは欠かせない。注文は電話や無人で受けることができるが、人が対応するサポートやアドバイスを求める販売店のケアのための受け口は非常に重要だ。
簡易で効率化を図ると同時に、販売店を支援することで、顧客や販売店とのリレーションシップを確立することが重要なポイントとなる。
テレセンタの機能としては、販売店からの様々なニーズを受ける窓口の一本化を目指す。つまり、現在の販売店は受注の他に自動販売機の修理やクレームや問い合わせなど多岐にわたっている。こういった問題にひとつの窓口(電話番号)にコンタクトしてもらう。内容によって自動的に振り分けを行うことで、本格的なコールセンタの実現を目指している。今後はCTIの利便性ときめ細かな人的サポートの両輪を提供することで大きな成果を上げることが期待されている。